このページでは、東芝がVARDIA RD-A600内で使用しているフリーソフトウェア(自由なソフトウェア)を再配布しています。再配布しているソフトウェアは以下の通りです。
ファイル | サイズ (Byte) | 詳細 |
---|---|---|
vardia_rd-a600.iso.bz2 | 44053711 | VARDIA RD-A600 オープンソース公開ファイル |
linux-2.6.10.tar.bz2 | 36533484 | Linuxカーネル 2.6.10 (CDに含まれていなかったため、別途配布) |
東芝が販売しているデジタル放送チューナを搭載したDVDレコーダ「VARDIA」は、内部ソフトウェアとしてLinuxなどのコピーレフトなオープンソースソフトウェアを利用しています。
しかしながら、ウィキペディアにおいて「東芝はVARDIA内で使用しているフリーソフトウェアのソースコードを公開せず、GPL違反を犯している」との記述がありました。
この件に関して東芝に問い合わせをしたところ、「ソースコードはGPLに則って公開しています」との回答をいただきました。しかしながらウィキペディアに投稿した方は納得せず「ソースコードを請求しても、実際には拒否される」といった主旨の主張をされました。 そこで、事実確認のためにソースコードの請求を行ってみる事にしました。
そんなわけで、ソースコードの請求をしてみようと思った訳ですが、東芝のウェブサイト上にある「Linux に関するお問い合わせ」のページを見る限りでは、請求を送るメールアドレスが書いてあるだけで、どういう風に請求すればいいのかが今一よくわかりません。そこで請求の仕方についても問い合わせてみました。
ソースコードの請求は、東芝のウェブサイト上にある「Linux に関するお問い合わせ」に書かれているメールアドレス宛に、ソースコードを請求するメールを送る事で行う事ができます。なお、VARDIAを所有していなくてもソースコードの提供は行えるとの事でした。
ソースコードを請求する際には、以下の項目について記入します。
項目名 | 必須項目 |
---|---|
名前 | 必須 |
必須 | |
居住している国名 | 必須 |
住所 | 必須 |
連絡先(TEL) | 必須 |
機種名・型番 | 必須 |
必要とするソース | |
ソースの利用目的 |
今回は、現時点で最新機種である「RD-A600」のソースコードを請求してみる事にしました。「必要とするソース」は、「コピーレフト的なライセンス(GPLなど)に基づくソフトウェアのソースコードすべて」、「ソースの利用目的」は「ウェブ上での再配布」としておきました。
なお、ソースコードの請求方法の問い合わせに関する回答には下記のような注意書きがありました。
- 提供出来るソースは、GPLソースコードのみとなっております。GPL以外のソフトウェア、ドライバ等のソースは提供できませんので、予め御了承ください。
- ソースコードは、ご記入頂いたご住所宛に宅配便にて送付させて頂きます。(送料は弊社で負担いたします。)
- 上記個人情報は、本目的以外には利用致しません。
- 社内手続きの関係で、提供(発送)までに時間のかかる場合があります。ご了承ください。
送料やメディア料不要というのはかなり良心的だな、と感じました。また「社内手続きに時間がかかる」旨の事が書かれていますが、正直いってこれは社交辞令というか安全パイみたいなもんだろうと思っていましたが、実際に請求から発送まで約1ヶ月かかりました。
さて、到着したCD-Rの中身を確認したところ以下のフリーソフトウェアが収録されていました。
名称 | バージョン | 備考 |
---|---|---|
CE Linux? | ? | パッチのみ。Linuxカーネル本体なし |
BusyBox | 1.00 | |
GCC | 3.4.3 | |
GNU C Library | 2.3.2 | |
iptables | 1.3.1m |
Linuxのカーネル本体が含まれていないのは、差分配布の禁止に違反している気もしますが、この辺は詳しくないので判断しかねます。この一点を除けば、フリーソフトウェアのソースコード請求に関しては特に問題はないように感じました。よってウィキペディアにあった「VARDIAはGPL違反を犯している」という記述はその大部分が間違いであると結論づけても問題はないでしょう。
東芝から送られてきたCD-Rに収録されていたファイルの一覧です。